糖尿病
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症例報告
内科的治療により皮膚症状,貧血,低アミノ酸血症が著明に改善したグルカゴノーマの1例
大隈 俊明岩瀬 正典井手脇 康裕菊池 洋平藤井 裕樹奥 美和子森本 昌子土井 康文中村 宇大飯田 三雄
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2009 年 52 巻 12 号 p. 949-955

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抄録

症例は74歳,女性.壊死性遊走性紅斑を発症し,高グルカゴン血症(13,000 pg/ml), 膵体部腫瘍(径3 cm)よりグルカゴノーマと診断された.肝臓に多数の微小転移巣と下肢深部静脈血栓症,肺塞栓を認めた.BMI 16.9 kg/m2, 血清アルブミン1.5 g/dl, Hb 6.8 g/dlで全身状態は不良であった.オクトレオチドにより血中グルカゴンは低下し(1,500 pg/ml), アミノ酸製剤により皮膚所見は著明に改善したが,低アルブミン血症や貧血の改善が乏しかった.さらに,蛋白同化ステロイドのメテノロンを併用したところ,血中アミノ酸分画の上昇とともに,両者の改善を認め(血清アルブミン2.3 g/dl, Hb 8.5 g/dl), 全身状態も改善した.また,内因性インスリン分泌能の低下の伴う糖尿病に対し,インスリン療法を施行した.外科的治療が困難な高齢グルカゴノーマの症例に,蛋白同化ステロイドを含む内科的治療が奏効した稀な1例を経験したので,報告する.

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© 2009 一般社団法人 日本糖尿病学会
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