糖尿病
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症例報告
インスリン受容体抗体が疑われIGF-1製剤を使用したインスリン抗体陽性の透析中2型糖尿病女性
岡田 由紀子押谷 創杉山 豊三村 哲史浅野 靖之辻田 誠渡部 啓子成瀬 友彦佐々木 洋光渡邊 有三
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2009 年 52 巻 3 号 p. 249-253

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抄録

症例は58歳,女性.47歳より糖尿病を指摘され,52歳からインスリン(ペンフィル30R®)を使用していた.53歳で血液透析を導入し,57歳で右下肢切断術を行った際,血糖コントロール不良でインスリン抗体68.8%, HbA1c 13.3%であった.インスリンリスプロに変更し,血糖コントロールは改善した.今回,急性腹症で来院し穿孔性腹膜炎の診断で緊急入院手術となったが,術後遷延性低血糖と高血糖を呈した.インスリン製剤の変更,ステロイドの併用,二重膜濾過(DFPP), pioglitazoneの併用などを試みたが血糖コントロールは改善せず.インスリンとは異なる機序の血糖降下作用をもつIGF-1製剤メカセルミン(ソマゾン®)を使用し,コントロールを得た症例を経験したので報告する.

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© 2009 一般社団法人 日本糖尿病学会
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