糖尿病網膜症の進展とCAVI(Cardio Ankle Vascular Index),N末端脳型ナトリウム利尿ペプチドとの関連

吉田 晃浩; 幸脇 正明; 牧野 真樹; 藤原 健太郎; 内藤 通孝

doi:10.11213/tonyobyo.53.90

原著

糖尿病網膜症の進展とCAVI(Cardio Ankle Vascular Index),N末端脳型ナトリウム利尿ペプチドとの関連

吉田晃浩, 幸脇正明, 牧野真樹, 藤原健太郎, 内藤通孝

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キーワード: 糖尿病網膜症, 代謝症候群, 2型糖尿病, ヒト脳性ナトリウム利尿ペプチド前駆体N端フラグメント: NT-proBNP, 心臓·足首血管指標: （cardio-ankle vascular index; CAVI）

ジャーナルフリー

2010 年 53 巻 2 号 p. 90-95

DOI https://doi.org/10.11213/tonyobyo.53.90

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抄録

糖尿病に伴う血管障害は，動脈硬化性疾患の発症·進展に深く関わることが知られている．我々は，2型糖尿病患者69名を対象に心臓·足首血管指標（CAVI）とヒト脳性ナトリウム利尿ペプチド前駆体N端フラグメント（NT-proBNP）との関連，糖尿病性網膜症とメタボリックシンドロームの危険指標との関連についての検討を行った．対象者における糖尿病網膜症の有無の確認を行い，正常群，単純性網膜症群，増殖性網膜症群の各病期に分類して検討した．動脈壁の固さ（Stiffness）の指標CAVIと心不全の指標NT-proBNPは，ともに網膜症の進展に伴って高値を示し，NT-proBNPとR-CAVI（r=0.401，p=0.0006），L-CAVI（r=0.450，p＜0.0001）との間に有意な相関を認めた．以上より，CAVIとNT-proBNPの上昇は，糖尿病に伴う動脈硬化や心血管機能有用な指標となると考えられた．

責任著者(Corresponding author)

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