糖尿病
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コメディカルコーナー・原著
自己管理行動の違いを考慮した当院の糖尿病教育プログラムが患者の心理・行動変容に及ぼす効果
沼沢 玲子諸星 政治難波 春子福井 洋子山崎 香奈絵寺田 陽子宮崎 麗新井 孝子萩原 康二田上 幹樹
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2011 年 54 巻 2 号 p. 117-127

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抄録
当院では2007年6月より,患者の心理状況を踏まえ,療養への取り組み姿勢からタイプ別に分類し,行動記録表への記入を支援する糖尿病教育プログラムを導入した.行動目標を自ら立てる本人主導型,医療従事者側に依存する他人主導型の2型に分け,退院後も介入を継続している.今回退院後半年間フォローした52名を対象に,患者の心理的負担度,退院後の行動変容の実行度と血糖コントロールとの関連について検討した.心理的負担感は全症例で軽減したが,他人主導型においてより軽減度は強かった.HbA1c(以下HbA1cはJDS値で表記(糖尿病53:450-467,2010))は全症例で有意に低下したが,HbA1c 6.5%未満達成は本人主導型で高率であった.以上より本人主導型はコントロールの中心が自分自身で,自律的行動が血糖コントロールに結びつくと認識しており,他人主導型は医療者との繋がりが心理的負担感を軽減しやすく,他者による支援が重要であると考えられた.
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© 2011 一般社団法人 日本糖尿病学会
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