糖尿病
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診断・治療(食事・運動・薬物)
早期糖尿病性多発神経障害の評価における知覚痛覚定量分析装置Pain Vision®PS-2100の有用性
岡本 真由美江頭 富士子滝 雅史中島 裕美荻原 典和高村 宏吉川 彰一林 洋一石原 寿光
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2013 年 56 巻 6 号 p. 343-349

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抄録

糖尿病性多発神経障害の進行度を検討するために「糖尿病性神経障害を考える会」が提唱した「糖尿病性多発神経障害の病期分類」が活用されるようなった.この病期分類における早期の神経障害を定量的に評価する目的で,知覚痛覚定量分析装置Pain Vision®PS-2001(以下PVと略す)を用いた電流知覚閾値(Current Perception Threshold以下CPTと略す)を,2型糖尿病患者において測定した.その結果,下肢で測定したCPT値が「糖尿病性多発神経障害の病期分類」のI期からIII期への進行に伴って有意に増加することが明らかとなった.また,CPT値はタッチテストによる圧触覚の評価結果と強く相関した.本法は,神経伝導速度測定などの従来の方法と比べ,簡便である点と痛みを与えない点で優れており,感覚神経障害の定量的検査法として,さらには早期の糖尿病性多発神経障害の評価法として有用であると考えられる.

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© 2013 一般社団法人 日本糖尿病学会
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