抄録
グリコアルブミン(GA)を利用して8年後の耐糖能(HbA1cで診断)を予測できるか検討した.予測式は健診受診者(230名,平均年齢56.6歳)を対象に健診検査項目(GAまたはHbA1c,空腹時血糖値,75 g糖負荷60分血糖値,糖負荷後120分血糖値,BMI,年齢)より重回帰分析で作成した.予測式適合度57.5 %(調整済みR2=0.575)であった.予測式はHbA1c5.8 %,5.9 %,6.0 %において最も安定していた.対応する8年前GA値は13.9 %,15.6 %,16.4 %であった.GA13.9 %を糖尿病警告値とした場合,8年後実際にHbA1c5.8 %以上を示した人数は20.3 %過剰評価となり,GA15.6 %,16.4 %を使用した場合には10.6 %,11.4 %過少評価になった.今回の結果からは,約10 %の過少評価を容認するとすれば,警告GA値は15.6 %,16.4 %を選択するのが妥当と考える.