糖尿病
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診断・治療(食事・運動・薬物)
日本人糖尿病患者におけるインスリンデグルデクの治療効果とQOLに関する検討
太田 充森田 聖北本 友佳山藤 知宏福島 光夫安田 浩一朗
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2017 年 60 巻 12 号 p. 791-799

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抄録

インスリンデグルデクは1日1回の投与で安定した血糖降下作用を示す.我々はインスリン加療中の糖尿病患者84名を対象に,従来薬からデグルデクへの変更群(D群)と従来薬継続群(C群)で治療効果とQOLの検討を行った.投与開始24週後に,D群においてHbA1cは有意な低下を示しており(p=0.03),その傾向は特に頻回注射療法の患者で顕著であった.QOLの検討にはDTSQ(糖尿病治療満足度質問表)を用いた.投与24週後の満足度と利便性の評価スコア総計は,D群で有意に上昇し(p=0.03),それぞれで検討すると,満足度の評価スコアがD群で有意に上昇していた(p=0.03).本検討で,デグルデクの使用は治療効果だけでなく患者の治療に対するQOLの向上に寄与することが示唆された.

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© 2017 一般社団法人 日本糖尿病学会
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