糖尿病
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社会医学・医療経済学
入院患者への血糖測定回数削減を目的とする血糖測定判定プロトコールの作成およびその有用性の評価
荒木 康羽永田 裕章村田 和也井田 諭金児 竜太郎石原 裕己今高 加奈子内田 明宏門口 紅藤原 僚子高橋 宏佳野口 祥紀谷村 学
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キーワード: 血糖測定, プロトコール
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2017 年 60 巻 6 号 p. 442-448

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抄録

入院患者への血糖測定回数を必要最小限にすることは,患者の穿刺痛,看護師の業務量およびコストの削減などに有用であると考えられる.今回,血糖測定回数削減を目的とする血糖測定判定プロトコール(以下,プロトコール)を作成・運用し,その有用性を評価した.プロトコールには,原則1日2回以上測定した食前血糖値が3日間以上連続で200 mg/dL未満であった場合,1日1回のみの測定へ削減可と記載した.ただし,低血糖が頻発する場合やインスリン使用患者などの除外基準を設けた.プロトコール運用の結果,回数削減後に再度高血糖を示すなどの有害事象を認めることなく,測定回数を削減できた割合は,運用前後で43.1 %から86.2 %に有意に増加した(p<0.001).プロトコール運用により,血糖測定回数を安全に削減できる可能性が示唆された.

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© 2017 一般社団法人 日本糖尿病学会
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