低炭水化物食に伴う脂質摂取量の増加が若年女性の糖質・脂質代謝に及ぼす影響を評価した.クロス・オーバー方式にて,早朝に各試験食を負荷した後,次の食事(セカンドミール)として共通の昼食を摂取させて,摂取前後の血糖値,血清インスリン,遊離脂肪酸,中性脂肪,ケトン体濃度,およびヘパリン静注前血清リポ蛋白リパーゼ量を測定した.試験食は標準(Control)食(炭水化物:C 60 %,脂質:F 25 %),低炭水化物・標準脂質(LCAF)食(C 30 %,F 25 %),低炭水化物・高脂質(LCHF)食(C 30 %,F 45 %)である.LCAF食とLCHF食は朝食後の血糖上昇を抑制したが,昼食後の血糖値はControl食に比し,LCHF食で上昇しLCAF食で抑制した.LCHF食のセカンドミール摂取前後の遊離脂肪酸と摂取後のインスリンは高値を示したことから,LCHF食はインスリン抵抗性を惹起したと考えられた.