2018 年 61 巻 4 号 p. 161-170
Drug-naive 2型糖尿病患者にDPP-4阻害薬またはSU薬処方後2年間の治療効果について,CoDiCⓇ入力データを集計しレトロスペクティブな比較検討を行った.2015年7月末集計時点でDPP-4阻害薬(DPP-4i群),SU薬(SU群)対象患者は各々498名,349名.DPP-4i群はSU群に比べ,処方開始時HbA1c 9.0 %以上でもHbA1c低下度が大きく,HbA1c 7.0 %未満達成率が高く,他剤追加が少なかった(各々42 %,54 %,追加薬は主にビグアナイド薬).BMI増加はDPP-4i群では処方開始時HbA1c 10.0 %以上患者群のみに,SU群では処方開始時HbA1cに関わらず認められた.以上の結果は傾向スコアマッチング解析でも認められ,DPP-4阻害薬はdrug-naive 2型糖尿病患者に対して,SU薬に優る薬効が得られるインスリン分泌促進系薬剤である可能性が示唆された.