2018 年 61 巻 4 号 p. 171-180
Flash glucose monitoring(FGM)はリアルタイムに血糖変動を視認できる利点があるが,得られる情報量が非常に多くなるため,モニタリングによる患者への影響と必要な療養支援について検討が必要である.本研究では,SMBGを1日に1型糖尿病(T1DM)で3回,2型糖尿病(T2DM)で2回以上の施行者を対象に,FGMを2週間装着し,装着前後と12週後の自己管理行動,精神的健康状態,治療満足度,体重,体組成,血圧,血糖,血清脂質を評価した.装着中にT1DMでは血糖改善および低血糖軽減,T2DMではQOL改善に役立つ可能性が示唆された.一方,T1DMでは脂質摂取の増加,T2DMでは野菜摂取の減少を認めた.T1DM,T2DMともに運動療法や血圧,脂質には変化を認めなかった.FGM使用時は血糖管理のみならず総合的に療養指導を行い,セルフケア行動が向上するよう支援することが重要である.