糖尿病
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診断・治療(食事・運動・薬物)
糖質制限食は2型糖尿病に伴う非アルコール性脂肪性肝疾患をカロリー制限食と同等に改善させる
西森 栄太尾形 哲高杉 一恵依田 とし江大井 さおり関口 憲一工藤 絹子依田 淳南 茂仲 元司
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2018 年 61 巻 5 号 p. 297-306

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抄録

わが国の糖尿病および非アルコール性脂肪性肝疾患(以下NAFLDと略す)の食事療法はカロリー制限食が中心であるが,近年,糖質制限食の有効性も報告されている.本研究では,2型糖尿病に伴うNAFLD患者に対する糖質制限食の効果を検討した.糖質制限食群は糖質を1日70~130 g,カロリー制限食群は1日総エネルギー摂取量を標準体重×25 kcal/kgとして,全患者28名を無作為に割り付けて3ヶ月間の比較試験をした.結果,介入後3ヶ月では,各群とも,腹部単純CT検査による肝脾CT値比の有意な上昇,内臓脂肪面積,AST,ALT,体重およびHbA1cの有意な低下が認められた(P<0.05).また,2群間では,内臓脂肪面積が糖質制限食群で有意に低下していたが,その他の項目には有意差は認められなかった.2型糖尿病に伴うNAFLDの糖質制限食はカロリー制限食と同等の改善効果があることが示された.

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© 2018 一般社団法人 日本糖尿病学会
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