糖尿病
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診断・治療(食事・運動・薬物)
多職種介入は糖尿病腎症患者の透析導入時の病態に関連があるか?
人見 麻美子佐藤 照子大貫 恵子坂本 梅子勝呂 美香三浦 芳典守屋 達美
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2018 年 61 巻 8 号 p. 537-543

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抄録

糖尿病腎症(腎症)に対するチーム医療の効果を客観的あるいは科学的に検証した成績は極めて少ない.2010年~2014年に当院で新規血液透析導入となった53例で職種数や年次介入回数との比較検討を,および2職種以上が介入した群(多職種群)と管理栄養士のみが介入した群(管理栄養士群)に分けて,その後の透析導入時の病状,その他への関連を検討した.全体では,血清クレアチニン2.0 mg/dLから透析導入までの期間と年次介入回数に負の相関を認めた.管理栄養士群と多職種群の比較では,透析導入時のヘモグロビン,ヘマトクリット,心胸比,Cr 2.0 mg/dLから血液透析までの期間,緊急入院,在院日数,入院費用が多職種群で有意に良好な結果であった.多職種介入では,腎症患者に対して現在と将来の病態や多くの療養行動に関する情報が必要に応じ繰り返し提供されたことが結果に関連したと考えられた.

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© 2018 一般社団法人 日本糖尿病学会
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