2020 年 63 巻 11 号 p. 776-783
日本小児内分泌学会評議員を対象に1型糖尿病の移行期医療現状のアンケート調査を実施した(回答率44.2 %).1型糖尿病症例数は0-19名が最多で65.1 %,その内20歳以上の数は0-9名が最多で83.3 %であった.過去5年間に移行した患者数は0-9名が最多で81.0 %であった.移行時期はいつと考えるかの回答は,高校卒業時が最多で58.3 %であった.紹介する医療機関を知っているかの回答は,70.2 %の施設が自施設内にあると回答し,71.4 %が同都道府県内に知っていると回答した.今後移行する予定はあるかの回答は,はいが85.7 %,いいえが14.3 %であり,移行を積極的に行なわない理由は何かの回答は,本人が希望しないが最多で58.1 %,合併症以外の診療は小児科主体で行うのが好ましいが次に多く11.6 %であった.この結果から早期から移行期医療の重要性につき患者教育を行う必要があると考えられた.