糖尿病
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短報
DASC-8による認知機能レベルと,罹病20年糖尿病通院患者の血糖状態・網膜症の有無との関連
伊藤 眞一
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2020 年 63 巻 2 号 p. 68-72

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抄録

(I)20年通院した118名の糖尿病患者の継時的血糖コントロール状態を調査した.MMSEまたはMini-Cogを従来法とし,DASC-8を最新法とし,その2法を用いて認知障害を調査した.20年経過後の認知障害と血糖コントロールとの関連性をみると,コントロール不良群の認知機能が低下している傾向があった.(II)罹病20年,10年以上通院している206名で,重症網膜症の有無と認知機能の関連性を調査したところ,重症網膜症の有る群が網膜症の無い群に比較し認知機能が低下している傾向があった.(III)206名全員の全投薬歴を調べ,認知機能が低下しているDASC-8のカテゴリーに,低血糖が危惧される薬物を使用した患者がどのように分布しているかを調べると,43名存在した.MMSEと比較し,短時間で実施可能なDASC-8は高齢者血糖コントロール目標のカテゴリー分類に有効なツールであった.

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© 2020 一般社団法人 日本糖尿病学会
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