糖尿病
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診断・治療(食事・運動・薬物)
糖尿病腎症保存期の多職種介入は血液透析導入時の病態および導入後の予後を改善する
人見 麻美子佐藤 照子大貫 恵子坂本 梅子勝呂 美香三浦 芳典守屋 達美
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2021 年 64 巻 4 号 p. 263-268

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抄録

糖尿病腎症(腎症)に対するチーム医療の効果を客観的あるいは科学的に検証した成績は海外では散見されるも,本邦では極めて少ない.2010年~2016年に当院で新規血液透析導入となった69例で,2職種以上が介入した群(多職種群)と管理栄養士のみが介入した群(管理栄養士群)に分けて,透析導入時の病態,およびその後の生存期間などへの関連を検討した.2群間の比較では,透析導入時のヘモグロビン,ヘマトクリット,心胸郭比,在院日数,入院費用が多職種群で有意に良好な結果であり,24時間蓄尿の実行が有意に多かった.血清クレアチニン2.0 mg/dLから透析導入までの期間および生存期間は多職種群で有意に長かった.多職種介入では腎症患者に対して現在と将来の病態や多くの療養行動に関する情報が必要に応じ繰り返し提供されたことが結果に関連したと考えられた.

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© 2021 一般社団法人 日本糖尿病学会
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