糖尿病
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症例報告
第1子時妊娠糖尿病および第2子時糖尿病合併妊娠においてチーム医療・短期間入院が有用であった1例
三上 有希澤井 麻記山野 言前田 万里紗長嶋 一昭岩見 州一郎小林 由佳
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2022 年 65 巻 5 号 p. 223-229

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抄録

糖代謝異常合併妊娠は周産期の母体・胎児リスクであり,安全な分娩のため当院では糖尿病専門医・産婦人科医・薬剤師・管理栄養士・看護師が連携して血糖管理を行っている.本症例はチームで血糖管理し問題点を共有することで,早期に入院管理に移行し血糖値を改善できた症例である.第1子時妊娠糖尿病:血糖管理困難のため短期間入院を提案.食事管理とインスリン量調節により必要なインスリン量まで1週間で到達できた.第2子時糖尿病合併妊娠:不規則な食生活やインスリン量増加に伴う母体体重増加を認め短期間入院を提案.10日間入院中,主に食事管理・栄養指導を行い,インスリン量を増加することなく血糖値を良好に管理でき,母体体重増加は停滞した.入院前後を比較し,第1子時・第2子時共に食前血糖値・2時間値・M100値は有意に改善し,糖尿病教育入院が妊娠時血糖値管理に良好な影響を及ぼした可能性が示唆された.

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© 2022 一般社団法人 日本糖尿病学会
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