2023 年 66 巻 1 号 p. 9-17
本調査は,薬局でのHbA1c測定を介した「医薬連携愛知モデル」の構築・実施が,糖尿病の予防・早期発見・早期治療に及ぼす効果を実証することを目的とした.薬局に検体測定室を設置,希望来局者自らHbA1cを測定した.「医薬連携愛知モデル」の設定ルールに基づき,薬剤師は受検者に測定結果を伝え,結果により医療機関への受診勧奨を行った.結果は受検者498名,平均年齢47.2歳,平均HbA1cは5.5 %,HbA1cが6.0 %以上は92名で,内72名に受診勧奨を行った.追跡調査を実施し得た37名中,医療機関を受診し治療を開始した者は16名で,受診前HbA1cは7.0 %,受診後に確認できた14名の平均HbA1cは6.5 %と有意に改善していた.身近な薬局による「医薬連携愛知モデル」の実施は,糖尿病の早期発見・早期治療に繋がる可能性がある.今後,費用対効果の検証など検討していきたい.