糖尿病
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委員会報告
糖尿病性腎症病期分類2023の策定
糖尿病性腎症合同委員会・糖尿病性腎症病期分類改訂ワーキンググループ馬場園 哲也金崎 啓造宇都宮 一典古家 大祐綿田 裕孝繪本 正憲川浪 大治深水 圭久米 真司鈴木 芳樹和田 淳和田 隆志岡田 浩一成田 一衛小岩 文彦阿部 雅紀土谷 健加藤 明彦市川 和子北谷 直美
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2023 年 66 巻 11 号 p. 797-805

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抄録

わが国では2014年に改訂された糖尿病性腎症病期分類が広く用いられてきた.最近では,高齢化や肥満者の増加,糖尿病や高血圧症に対する新規治療薬の開発などを背景に,糖尿病患者に合併した腎臓病が多様化していることが指摘されている.そこで糖尿病性腎症合同委員会では,腎症病期分類を再度改訂する必要性を検討した.現時点では,アルブミン尿や推算糸球体濾過量に基づく2014年分類を変更する必要性を示唆する新たなエビデンスが発出されていないことから,今回の改訂では2014年分類の基本的な枠組みは変更しないこととした.ただし,日本腎臓学会のCKD重症度分類や国際的な表記との整合性を重視し,病期名を「正常アルブミン尿期(第1期)」,「微量アルブミン尿期(第2期)」,「顕性アルブミン尿期(第3期)」,「GFR高度低下・末期腎不全期(第4期)」,「腎代替療法期(第5期)」へ変更した.

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© 2023 一般社団法人 日本糖尿病学会
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