2023 年 66 巻 8 号 p. 645-654
JDCP studyベースライン時の2型糖尿病患者5,451人の糖尿病性対称性多発神経障害(DSPN)の有病率と特徴を調査した.DSPNは糖尿病性神経障害を考える会の簡易診断基準を用いて診断し,有病率は35.8 %であった.DSPNの有意なリスク因子は,年齢(OR 1.57;95 %CI 1.42-1.73),糖尿病罹病期間(1.32;1.21-1.43),BMI(1.19;1.09-1.30),収縮期血圧(1.06;1.01-1.10),HbA1c(1.15;1.09-1.22),ビグアナイド薬の使用(1.22;1.06-1.39),インスリン療法(1.59,1.36-1.84),TC(0.98;0.96-1.00),運動療法(0.85;0.73-0.98)であった.本調査により日本人2型糖尿病患者におけるDSPNの有病率と特徴およびリスク因子が明らかとなった.