2023 年 66 巻 9 号 p. 705-714
日本糖尿病学会と日本癌学会は専門家による合同委員会を設立し,2013年に発表された「糖尿病と癌に関する委員会報告」では,医師・医療者への提言および国民一般(患者を含む)への提言も取りまとめられた.2016年には「糖尿病と癌に関する委員会報告 第2報」において,糖尿病患者における血糖管理とがん罹患リスクについての検討がまとめられた.第3報となる本委員会報告では,日本癌治療学会,日本臨床腫瘍学会との拡大委員会を設置し,がん主治医として診療にあたる医師と糖尿病専門医として血糖コントロールを担当する医師に対して実施したアンケート調査「がん治療中の糖尿病管理に関する医師の意識調査」の結果を報告する.本調査により,がん主治医と糖尿病専門医との間に血糖コントロール目標,血糖コントロールの重要性,化学療法中の血糖コントロールに際するガイドラインの必要性について,認識が共通していることが明らかとなった.