2025 年 68 巻 9 号 p. 371-378
【目的】糖尿病をもつ高齢者の療養生活を支える施設スタッフの「関わりの中での思い」について,支援充実への資料を得ることを目的に調査を行った.【方法】 A県1,497高齢者施設スタッフ各1名を対象に無記名自記式質問紙またはWeb調査を実施した.2020年11月,記述回答はテキストマイニングにより分析した.【結果】分析対象は331名(回収率22.1 %)のうち欠損データを除く89名(26.9 %)とした.職種別では看護師32名(36.0 %),介護福祉士31名(34.8 %)が上位を占めた.頻出語上位は「食事」「思う」「難しい」「認知」が抽出,共起ネットワークでは「考える」を中心に「食べる」「血糖」「生活」との繋がりを示した.対応分析では施設看護師配置基準別に特徴がみられた.【考察】スタッフの多くは「食事」や「食べる」ことの食事管理に困惑し,糖尿病ケアに関する知識を習得したいとの思いがあることが示唆された.