糖尿病
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Hyperinsulinismの手術期における耐糖能およびインスリン分泌の変動
青野 一哉加藤 民哉仲村 吉弘今泉 暢登志古賀 明俊高木 輝
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1975 年 18 巻 6 号 p. 591-599

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抄録

hyperinsulinism2例 (第1例: 異所性膵β細胞集落形成, 第2例: 膵頭部ins面noma) について, 手術期における耐糖能およびインスリン分泌動態を, 対照例 (健常例) と比較しながら検討した.経静脈内ブドウ糖負荷試験において, これら2例の耐糖曲線と血漿immunoreactive insulin (以下IRIと略す) は, 健常例とはかなり異なったパターンを示した。しかし術中には, 術前とくらべて, インスリンーグルコース比は低下し, 健常例と同じくブドウ糖刺激によるインスリン分泌の抑制が認められた.
2例とも腫瘍摘出後, IRIの急速な低下と, これにひき続き血糖の持続的上昇がみられ, 術中血糖の頻回測定が腫瘍摘出判定に有用なことを確かめた.
臨床的に軽症であった第2例では, 術後のインスリン分泌能の回復は早く, 外からのインスリン投与は全く必要でなかった.また臨床的に重篤であった第1例でも術後のインスリン投与を極力制限する方針のもとで, インスリン分泌能は相当な程度にまで回復しえた.これらの事実と文献的考察とから, hyperinsulinismにおける術後のインスリン投与は, 絶対的に必要な場合を除き, 極力制限した方が, インスリン分泌能回復の面からみると, むしろ好ましいのではないかと推論した。

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