糖尿病
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インスリン少量持続注入療法による糖尿病性昏睡, ケトーシスの治療
6症例における経験
鮴谷 佳和河盛 隆造大角 誠治吉川 隆一七里 元亮繁田 幸男王子 亘由
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1977 年 20 巻 1 号 p. 98-105

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抄録

膵摘犬を用いた基礎的検討にもとづき, 4例の糖尿病性ケトーシス患者, 1例の高滲透圧非ケトン性昏睡患者, 1例の糖尿病性昏睡患者の計6例にインスリン少量持続注入療法を試みた. 平均インスリン投与量8.8±3.3 U/hr (Mean±S. E. M,) により, 血糖値は平均血糖降下率115±21mg/dl・hrの割合で低下し, 全例において治療開始10時間以内に安全に回復した. また, ケトン体陽性例においてもケトン体は治療開始前4.33±1.10mM/1が3時間以内に消失し, 従来の大量療法に比し遜色のない効果を認めた. なお, 血清カリウム値は治療前43±0.4mEq/1が3.3±0.2mEq/lと有意に低下し, したがって治療前値の低い場合にはインスリン少量持続注入療法時においてもカリウム剤の補給が必要であると考えられた.

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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