糖尿病
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5年間における糖尿病性網膜症の推移について
高取 悦子高橋 千恵子林 正雄平田 幸正
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1977 年 20 巻 5 号 p. 594-601

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抄録

当科で糖尿病の治療開始後5年間にわたる糖尿病性網膜症の推移を検討した.5年間におけるScottIV以上の重症網膜症への進展は初回眼底所見Scott 0では0.4%, Scott Iaでは3.1%, Scott IIでは10.0%, Scott III aでは23.8%であった.糖尿病の治療開始後1年毎の5年間にわたる網膜症の発症率, 進展率は治療開始後1年間でもっとも高率であった.治療開始後1年間における網膜症の発症率, 進展率はその間のニントロール不良群で有意に高率であった.またコントロール良群でも, コントロール不良群でも初診時空腹時血糖値180mg/dl以上のもので, 初診時空腹時血糖値179mg/dl以下のものにくらべ, 有意に高率であった.観察期間の5年間に網膜症の著明な進展を示した22例における著明な進展を示した時期は22例中10例 (45.5%) が治療開始後1年以内であり, この10例中8例では初診時までの罹病期間が5年未満であった.

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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