糖尿病
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レセプター結合後のインスリン代謝に関する研究
尾崎 史郎
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1982 年 25 巻 6 号 p. 661-664

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抄録

レセプター結合後のインスリン代謝を明らかにする目的でラット肝cytosal中に存在するインスリン分解酵素をもちい, 標識インスリン (1) 及び標識インスリン・レセプター複合体 (IR) を基質とし検討した.酵素によるI及びIRの分解実験よりIRはIにくらべよい基質にならないことが明らかとなった.
非標識インスリンはIRよりのIの解離を促進させるが同時に標識インスリンの分解も促進させた.非標識インスリンの存在下及び非存在下でのインスリン解離速度及び分解速度を測定したところ, 論理的に算定した値と実際に測定した値はよく一致した.それ故, レセプターに結合した標識インスリン由来のすべての分解産物はレセプターより解離したインスリンであろうと推定された.

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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