糖尿病
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小児糖尿病の家庭管理における糖尿病教室および入院の有効性に関する検討
岡田 奏二宮井 陽一郎太田 善介
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1984 年 27 巻 10 号 p. 1051-1058

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抄録

本研究の目的は小児糖尿病の家庭管理における糖尿病教室と入院の有効性を検討することである. 西日本で調査協力のえられた主要3地域における小児糖尿病児の保護者132名を対象とし, 選択肢をあらかじめ付した設問を郵送調査法で実施した. 設問は糖尿病の総論的な知識に関するもの10題と家庭管理に必要な各論的な知識に関するもの20題とからなる. 回収率は81.8%であった. 総論的知識に関する設問10問中7問を正解したものが糖尿病教室参加の有無にかかわらず最も多く, また入院の有無による差を認めなかった. 総論的知識に関する各々の設問の正答率は糖尿病教室参加の有無別および入院の有無別にみてもそれぞれに対応するものとの間に差がなかった. 各論的な知識に関する設問20問中13問を正解したものが糖尿病教室参加の有無にかかわらず最も多く, また入院の有無による差を認めなかった. 各論的な知識に関する各々の設問の正答率は糖尿病教室への参加の有無別および入院の有無別にみてもそれぞれに対応するものとの間に差がなかった.
現行の糖尿病教育は小児糖尿病の家庭管理においてさほど有効であるといえず糖尿病教室等の運営上の改善の必要を認めた.

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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