抄録
エタノールのブドウ糖刺激下におけるインスリン分泌抑制作用の機序を解明する目的で, ラットの単離膵島を用い, エタノールおよび, Ca++, cyclic AMP, テオフィリン・フェントラミンを添加し検討を行った. その結果154m Mのエタノールは, ブドウ糖刺激によるインスリン分泌の1相, 2相ともに抑制した.
エタノールによるインスリン分泌抑制作用は, Ca++ (12m Eq/L), c-AMP (5m M), テオフィリン (2m M), フェントラミン (0.1m M) のいずれによっても解除された. 以上の成績から, エタノールのインスリン分泌抑制作用は, B細胞におけるカルシウムイオンの再分布あるいはc-AMP系を阻害して出現している可能性が示唆された.