糖尿病
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エタノールによるインスリン分泌抑制の機序
ラット単離膵島を用いた実験
泉原 弥太郎小山 洋村上 哲雄渥美 久松尾 裕本田 利男
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1984 年 27 巻 9 号 p. 1017-1023

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抄録
エタノールのブドウ糖刺激下におけるインスリン分泌抑制作用の機序を解明する目的で, ラットの単離膵島を用い, エタノールおよび, Ca++, cyclic AMP, テオフィリン・フェントラミンを添加し検討を行った. その結果154m Mのエタノールは, ブドウ糖刺激によるインスリン分泌の1相, 2相ともに抑制した.
エタノールによるインスリン分泌抑制作用は, Ca++ (12m Eq/L), c-AMP (5m M), テオフィリン (2m M), フェントラミン (0.1m M) のいずれによっても解除された. 以上の成績から, エタノールのインスリン分泌抑制作用は, B細胞におけるカルシウムイオンの再分布あるいはc-AMP系を阻害して出現している可能性が示唆された.
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© 社団法人 日本糖尿病学会
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