抄録
市販動物由来のインスリン製剤によりアレルギー症状 (皮膚型即時型アレルギー) を呈した5症例に対しヒトインスリンによる皮内反応試験を施行しその反応性を比較検討した.
試験に供したヒトインスリン製剤はSemisynthetic Human InsulinであるActrapid-Human Monocomponent Insulin, Monotard-Human Monocomponent Insulin (Novo) およびBiosynthetic Human InsulinであるS 3300 Regular, S 3300 NPH (Lilly) である.
インスリン皮内反応試験 (0.05U/0.05ml) 後30分の成績は全例においてA-HM, M-HM, S 3300 Regular およびS3300 NPHのすべてに陽性所見が示された. なお発赤は24時間以内に消失した.
対照に用いた生理食塩液とM-HMのdiluting mediumでは陰性であった.
以上より動物由来のインスリン製剤で出現したインスリン・アレルギーはヒトィンスリンに対しても交差反応の示されることを明らかにした.