糖尿病
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27 巻 , sppl1 号
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  • 小坂 樹徳
    1984 年 27 巻 sppl1 号 p. 1-2
    発行日: 1984/05/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 葛谷 健, 中川 昌一, 後藤 由夫, 赤沼 安夫, 阿部 正和, 平田 幸正, 堀内 光, 梶沼 宏, 坂本 信夫, 繁田 幸男, 井村 ...
    1984 年 27 巻 sppl1 号 p. 3-8
    発行日: 1984/05/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    ブタインスリンの修飾によって作った半合成ヒトインスリン (semisynthetic human insulin, SHI) の有効性, 安全性および抗原性を, インスリン治療歴のない1型および2型糖尿病患者を対象として, 高度精製ブタインスリン (purified pork insulin, PPI) と比較検討した. 薬剤としては, ヒトインスリン, ブタインスリンともにActrapidおよびMonotard製剤 (NOVO) を使用した. インスリン製剤の選択, 注射回数および投与量は各症例ごとに主治医が決定した. 血糖, 尿糖, HbA1およびインスリン抗体を定期的に検査した. ヒトインスリン投与群 (59例) およびブタインスリン投与群 (35例) において, その分布, 病型, 空腹時血糖, HbA1, 肥満度および糖尿病性合併症に両群間で差異はなかった.
    試験開始後36週までの検討では, ヒトインスリン投与群およびブタインスリン投与群の間で, インスリン投与量, 空腹時血糖およびHbA1において有意な差は認められなかった.
    試験開始後8週頃から, 両群ともインスリン抗体が出現しはじめた. 総インスリン抗体は経過とともに上昇がみられたが, IgE抗体は2~3例において一時的な上昇が認められたのみであった. ヒトインスリン投与群, ブタインスリン投与群で抗体産生に有意な差はみられなかった. また, 両群どちらにも重篤な副作用は認められなかった. 従って, 半合成ヒトインスリン (SHI) は高度精製ブタインスリンと同様, 安全でかつ有効であると思われる. また, ヒトインスリンの抗原性はブタインスリンと同様低かった.
  • 赤沼 安夫, 中川 昌一, 後藤 由夫, 葛谷 健, 平田 幸正, 伊藤 徳治, 梶沼 宏, 堀内 光, 坂本 信夫, 繁田 幸男, 井村 ...
    1984 年 27 巻 sppl1 号 p. 9-18
    発行日: 1984/05/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    ブタインスリンの化学的修飾によつて酵素学的畔合成されたHuman Momcomponent Insuliれの安全性, 有効性および免疫学的推移を精製ブタインスリンを対照薬剤とした二重盲検法にて検討した. 用いた製剤はいずれもActrapidおよびMonotard製剤である. 治験は96週間の予定にて実施進行中であるが, 今回は24週間まで投与し得ている症例を対象とした中間成績である. 対象は, 精製ブタインスリン製剤のみで治療されているType IおよびType II糖尿病患者153例であった. 解析は除外症例8例を除いた145例にて実施された.
    患者の年齢, 糖尿病病型, 肥満度, 糖尿病発症年齢, 糖尿病罹病期間および糖尿病性合併症など背景因子に明らかな偏りはなかった.
    全般改善度, 有用度とも精製ブタインスリン群の方で改善および有用と判定する傾向があった (0.05<p<0.1).
    インスリン1日用量, 空腹時血糖値およびヘモグロビンAiでは両薬剤群間に有意な差は認められなかった. 体重, 抗インスリンIgG抗体およびインスリン特異性IgE抗体でも両薬剤群間に差を認めなかった. インスリンアレルギーが治験開始1ヵ月頃に, リポアトロフィーが12週間頃に各1例ずつ認められたが, いずれも治験はそのまま継続し得た. これら以外に副作用は認めなかった. 臨床検査成績に治験薬剤によると思われる直接的な影響は認められなかった.
    以上より, Human Monocomponent Insulinは, 精製ブタインスリンとほぼ同様の安全性, 有用性を有しており, 糖尿病治療上, 有用なインスリンであると判断された. しかしながら両者間には作用特性に多少の差異がみられる可能性は残る. この点に関しては今後さらに検討される必要があろう.
  • 松田 文子, 河野 幹彦, 坂本 美一, 葛谷 健
    1984 年 27 巻 sppl1 号 p. 19-24
    発行日: 1984/05/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    ブタモノコンポーネントインスリンと半合成ヒトモノコンポーネントインスリンの作用時間を糖尿病患者において比較した. ブタモノコンポーネントとしてはNovo社のMonotard insulin, Actrapid insulinを用い, 半合成ヒトインスリンとしてはNovo社より提供された治験用サンプルを用いた. 対象はブタ製剤で既に安定したコントロールの得られている糖尿病患者とし, 同単位のヒトインスリン製剤に変更して7日間治療を行い, 両剤投与時の血糖日内曲線ケトン尿, 低血糖症状を比較した, Monotard 1回注射の5例では, 空腹時血糖には差がなく, 日内変動では, 昼間はブタインスリン使用時の方がやや血糖が高く, 夕食前後にかけてはヒトインスリン使用時の方が血糖が高目であったが有意差はなかった, 夜間の血糖値は両剤間に差はなかった.
    Monotard, Actrapidの混合分割注射例では, 血糖日内変動は等しくほとんど差を認めなかった. ケトン尿の出現はなかった. ブタインスリン使用時には低血糖の自覚症状はなかったがヒトインスリン使用時には低血糖を自覚するものがみられた, 健常者に中性レギュラーインスリンを皮下注射した場合, ヒトインスリンの方が血糖下降が強い傾向があったが, Monotard製剤においてはブタ, ヒト間で作用時間が異なるとする結果は得られなかった.
  • 松田 文子, 金澤 康徳, 田坂 仁正, 赤沼 安夫, 葛谷 健, 平田 幸正, 小坂 樹徳
    1984 年 27 巻 sppl1 号 p. 25-30
    発行日: 1984/05/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    インスリン既治療糖尿病患者を対象とした半合成ヒトインスリン (HMI) と精製ブタインスリン (PMI) の二重盲検試験の安全性についての予備試験を行った. I型2例, II型5例の糖尿病患者に対し, PMIによる治療からHMIへ変更し6~8週観察した. インスリン使用量は17.7±2.1単位 (PMI), 20.0±9.5単位 (HMI), 空腹時血糖値107.4±83.7mg/dl (P), 121.2±72.8mg/dl (H), HbA1は9.9±1.0%(P), 8.0±1.2%(H) であり, 両剤使用時において有意な変動はみられなかった. 精製ブタインスリンの治療からヒトインスリン製剤への切り換えに伴うインスリン需要量の変動, 代謝状態の変動はそれほど大きくなく, HMI製剤は対照薬剤PMIとほぼ等力価と考えて二重盲検治験を開始しても安全であると考えられる.
  • 伊藤 景樹, 池田 義雄, 阿部 正和, 後藤 由夫, 阿部 祐五, 平田 幸正, 田坂 仁正, 垂井 清一郎, 豊島 博行, 小坂 樹徳
    1984 年 27 巻 sppl1 号 p. 31-38
    発行日: 1984/05/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Ketosisなどを伴っていた8例のインスリン初回治療糖尿病者 (うち1例は学校検尿で尿糖陽性を指摘され, Ketosisは認めなかった) に対して, Semisynthetic Human Insulin (SHI, ノボ社) を用い, 各種のインスリン持続注入法を行った. 8例のうち4例はBiostator (マイルス社製) で, 2例は少量持続静脈内インスリン注入法で, 残りの2例はそれぞれ人工膵島 (日機装社製) とインスリン持続皮下注入法によって治療を行い, それぞれの方法による治療効果とその後のコントロール状態について比較検討した. 得られた成績は次のごとくである.
    1) Biostatorによってインスリン初回治療を行い, その後の治療において速効型インスリンと中間型インスリンの分割・混注を行う方法は血糖コントロールを良好に維持するうえで有効である. 2) KetosisあるいはKetoacidosisを伴っている症例に初回インスリン治療を充分に行うことは, その後の内因性インスリン分泌能を回復・維持させるのに有効である.
    3) SHIの使用によるインスリン抗体価の上昇は軽度であるが, IgG, IgEとも8例中2例で高値が示された.
  • 島 健二, 池上 博司, 田中 彰, 弘田 明成, 田原 保宏, 熊原 雄一
    1984 年 27 巻 sppl1 号 p. 39-44
    発行日: 1984/05/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    例のインスリン依存型糖尿病患者にヒトアクトラピッドインスリンを用いるインスリン持続皮下注入療法 [CSII (ヒト)] を施行, 平均6.3カ月間 (4~10カ月間) 実施時の糖尿病コントロールおよびインスリン抗体価への影響について検討を加えた. コントロールの評価には空腹時および症例によっては食後2時間血糖値, さらにglycosylated Hb値を用いた. 血糖値は2~4週間隔あるいは毎日 (自己測定の場合) 測定の10個を用いた. また, その標準偏差をコントロール不安定性の指標とした. 抗体価は標識ブタインスリンの結合百分率で表現した. 6例中3例はブタインスリンを用いてのCSIIより, 残り3例は1日1~2回皮下注射よりの変更である. インスリン必要量の平均値は前33.5±13.1, 後30.6±12.8U/dayと有意差はなかった. CSII (ブタ) よりCSII (ヒト) に変更した3例中1例は, インスリン必要量は減少 (44.5→29.6U/day) し, また平均空腹時血糖値も350.6±68.8より210±83mg/dlと推計学的に有意に低下した. HbA1も12.2より8.7%に減少, コントロール改善を裏付けた. shotよりCSIIに変更した3例中2例に血糖値およびHbA1値の低下を認めたが, インスリン種差より, むしろ投与方法の変更による効果と考えられる. インスリン抗体価は7.3~58.6%に分布し, ヒトインスリン変更3.6カ月後も有意の低下を認めなかった. ヒトインスリンの特別な副作用はなかった.
  • 難波 光義, 中島 弘, 野中 共平, 垂井 清一郎
    1984 年 27 巻 sppl1 号 p. 45-48
    発行日: 1984/05/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    長期的にCSII (持続皮下インスリン注入療法) を施行していたI型糖尿病症例においてSemi-synthctic Human Actrapid Insulin (SHAI, Novo) とPorcine Actrapid Insulin (PAI) の薬効比較を行った. PAI使用中およびSHAIへ変更直後に施行した血糖, 血清遊離インスリン, 血漿グルカゴン値, 各々の日内変動に著差は認められなかった. SHAIへの変更前後の各1年間のHbA1値はそれぞれ8.7±0.7%, 8.2±0.7%で有意の改善が認められた. 1日のインスリン必要量や自覚症状を伴うインスリン低血糖の回数には差は認められなかった. 皮下注針刺入部位のインスリン局所アレルギーやリポディストロフィーなどの所見は観察されなかった. 以上, SHAIはそのbioavailabilityにおいてPAIと差はなく, CSII施行例におけるきりかえにも特に問題はないと考えられる.
  • 古守 知典, 高山 澄子, 小田桐 玲子, 田坂 仁正, 平田 幸正
    1984 年 27 巻 sppl1 号 p. 49-56
    発行日: 1984/05/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    半合成ヒトインスリンとブタインスリンの作用の比較のために, 著明な高血糖を示した糖尿病患者に静脈内インスリン少量持続注入を行い, インスリン効果を各種検討し次の結果を得た. 対象とした11例中7例は糖尿病性ケトアシドーシス, 1例は非ケトン性高浸透圧性昏睡, 残りの3例は昏睡には至らなかったが著名な高血糖の症例であった. このうちノボ社半合成ヒトインスリンを投与した5例をA-HM群, 同ブタインスリンを用いた6例をPorcine群とした.
    1. 治療開始前血糖値はA-HM群566±36mg/dl (M±SE), Porcine群563±48mg/dlで開始後3時間まで, 両群ともに急速に低下した.
    2. A-HM群の治療開始後3時間のうちに使用した総インスリン投与量は21±4単位で, Porcine群の16±4単位より多かったが有意ではなかった.
    3. A-HM群の治療開始後3時間の血糖降下度は86±18mg/dl・hrであり, Porcine群の63±14mg/dl・hrよりやや速かったが有意ではなかった.
    4. 無機燐, KおよびHbA1は治療開始後に各々有意に減少したが, 両群間の有意差はなかった.
    5. ケトアシドーシスの7例中A-HM使用は2例, 5例はProcine群であった. 両群ともに治療開始前の重炭酸濃度, 2, 3-DPGは低値であったが, 開始後はともに漸増した.
    以上のように, 高血糖者に対する静脈内少量持続注入の際の半合成ヒトインスリンとブタインスリンの作用を比較したが, 両群間に有意差を認めなかった.
  • 阪本 要一, 佐々木 温子, 石井 賢治, 横山 淳一, 山田 治男, 池田 義雄, 阿部 正和
    1984 年 27 巻 sppl1 号 p. 57-60
    発行日: 1984/05/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    インスリン初回治療糖尿病の7症例に対し, ヒトインスリン製剤の1つであるSemisynthetic human insulin (SHI) を使用し1年間にわたり血中インスリン抗体の推移を検討した. 使用したSHIはNovo社のActrapid-Human Monocomponent Insulin (A-HM) とMonotard-Human Monocomponent Insulin (M-HM) の両製剤である. 治療はA-HMとM-HMの混注かM-HM単独のいずれかによった. 血中インスリン抗体はpolyethyleneglycolを用いたinsulin binding capacity (%) によって求めた.
    その結果SHI治療により7例中3例に明らかなインスリン抗体価の上昇を認めた. 以上より, たとえアミノ酸配列がヒトインスリンと同様のインスリン製剤によってもインスリンの抗原性は消失しないことを示唆した.
  • 小林 正, 石橋 修, 大角 誠治, 繁田 幸男, 服部 正和, 葛谷 英嗣, 井村 裕夫
    1984 年 27 巻 sppl1 号 p. 61-66
    発行日: 1984/05/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Type II糖尿病の2症例にヒトインスリン (Monotard) にて治療開始したところ, 抗インスリン抗体が認められた. これら患者からの血漿を使用し, ヒトインスリンとブタインスリンに対する結合親和性を検討したところ両者に差が認められなかった.
    ヒトインスリン治療にて抗インスリン抗体の産生を認め, 2症例に関する限りでは, ブタおよびヒトインスリンに対する結合親和性は差異がなかった.
  • 小林 正, 大角 誠治, 岩崎 誠, 前川 聡, 渡辺 修明, 石橋 修, 高田 康光, 繁田 幸男
    1984 年 27 巻 sppl1 号 p. 67-72
    発行日: 1984/05/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    酵素学的にインスリンB鎖30位をアラニンからスレオニンに置換したヒトインスリンを用い, インスリン・レセプター結合および抗インスリン抗体結合についてブタインスリンと比較検討した. レセプター結合ではラット脂肪細胞およびヒト赤血球ともに両者に相異は認められなかった. ブタ・ウシインスリン (Lente insulin) にて治療した患者の血清を用いた抗インスに抗体との結合の実験では5人中2人にブタインスリンの方がヒトインスリンに比べ親和性が高い結果を示し, B鎖30位は抗体認識になんらかの役割を持っていることが示唆された. 以上から, ヒトとブタインスリンはレセプター結合は同等であるが, 抗インスリン抗体に異なった態度をとることもある結果を得た.
  • 田坂 仁正, 後藤 由夫, 平田 幸正, 赤沼 安夫, 梶沼 宏, 井村 裕夫, 七里 元亮, 小坂 樹徳
    1984 年 27 巻 sppl1 号 p. 73-82
    発行日: 1984/05/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    半合成ヒトインスリン (HMインスリン) 研究会に全国19施設より報告されたインスリンアレルギー, リポアトロフィーならびにインスリン抵抗性糖尿病症例のHMインスリン使用報告は29例であり, これらを分析して次の結果をえた.
    1) インスリンアレルギー25例, インスリンリポアトロフィー3例, インスリン抵抗性1例が報告された. インスリンアレルギー症例はブタMCインスリンよりHMインスリン変更が17例, レンテ (MC) インスリンより変更が7例, 経口剤より変更が1例である.
    2) インスリンアレルギーの症状は瘢痒感と発赤または紅斑が最も多く各々58%, 次いで局所の腫脹硬結が多かった. 皮膚反応は14例に行われ, ブタMCインスリン使用者ではHMまたはブタアクトラピッド皮内注射でそれ程差がないが, ウシのインスリンでは若干反応が強かった. レンティンスリン使用者も反応の強くでる者が多かった.
    3) インスリンアレルギー症例にHMインスリンを使用し大部分の症例にアレルギーの改善または消失をみた. リポアトロフィー症例は3例中1例, インスリン抵抗性1例にも軽快または改善をみた.
    4) 血清インスリンIgG抗体は40週までの観察では不変, インスリン特異性IgE抗体は漸減の傾向を認めた.
    5) HMインスリン使用によるHbA1の変化はみられなかった. ヒトインスリンの使用により, インスリンアレルギーの多くの症例に改善をみた. リポアトロフィー, インスリン抵抗性にも有効なものがあった.
  • 阪本 要一, 森 豊, 鶴岡 明, 塚原 暁, 斎藤 茂, 井出 幸子, 池田 義雄, 阿部 正和
    1984 年 27 巻 sppl1 号 p. 83-88
    発行日: 1984/05/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    市販動物由来のインスリン製剤によりアレルギー症状 (皮膚型即時型アレルギー) を呈した5症例に対しヒトインスリンによる皮内反応試験を施行しその反応性を比較検討した.
    試験に供したヒトインスリン製剤はSemisynthetic Human InsulinであるActrapid-Human Monocomponent Insulin, Monotard-Human Monocomponent Insulin (Novo) およびBiosynthetic Human InsulinであるS 3300 Regular, S 3300 NPH (Lilly) である.
    インスリン皮内反応試験 (0.05U/0.05ml) 後30分の成績は全例においてA-HM, M-HM, S 3300 Regular およびS3300 NPHのすべてに陽性所見が示された. なお発赤は24時間以内に消失した.
    対照に用いた生理食塩液とM-HMのdiluting mediumでは陰性であった.
    以上より動物由来のインスリン製剤で出現したインスリン・アレルギーはヒトィンスリンに対しても交差反応の示されることを明らかにした.
  • 高橋 貞則
    1984 年 27 巻 sppl1 号 p. 89-92
    発行日: 1984/05/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    最近経験したmonocomponent insulin (MC) によるアレルギー症例3例に対するM-HMの有効性について検討した. 症例1, 77歳女, 1977年糖尿病を発見1982年9月よりインスリンノボレンテMC 16uを毎日注射, 12月より全身皮膚型および局所皮膚型のインスリンアレルギーが出現したため, インスリン注射を中止した. インスリン皮内反応では, Actrapid Bovine, Actrapid Porcineが陽性, Actrapid Humanが陽性の疑いであった, 以上から, M-HMの脱感作を実施, 以後アレルギー症状はみられず, 現在M-HM 32uにて血糖コントロール良好である. 症例2, 49歳女, 息子一気管支喘息, 1967年糖尿病を発見, インスリン注射を1ヵ月施行し中止, 1982年8月よりインスリンノボレンテMC 20uを毎日注射, 3週後よりインスリンアレルギーが出現したため, インスリン注射を中止した. インスリン皮内反応では, M-HMを含めてすべてが強陽性であり, 現在M-HMの使用をみあわせている. 症例3, 38歳女, 薬物アレルギーの既往あり, 1976年糖尿病を発見, 1979年6月よりインスリンリタードレオ10uを毎日注射, 8ヵ月後よりインスリンアレルギーが出現したため, インスリンノボセミレンテMCに変更するも同様の症状を起こしインスリン注射を中止した. インスリン皮内反応では, M-HMを含めてすべてが陰性でありMHMの使用を予定している.
  • 赤間 高雄, 川井 紘一, 板倉 光夫, 藤田 敏郎, 小出 義信, 久貝 信夫, 山下 亀次郎
    1984 年 27 巻 sppl1 号 p. 93-98
    発行日: 1984/05/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    最近われわれは, 43歳女性のインスリン非依存性糖尿病患者で皮膚のインスリンアレルギー症状を呈し, かつ血糖のコントロールが困難であった症例を経験したので報告する. 患者は罹病期間10年で最近2年間インスリンを使用していたが, インスリン療法開始18日後より注射部位の廣痒感・発赤・硬結が出現し, 高度精製のウシおよびブタインスリンにても同様の症状がみられていた. 入院後の皮内テストにより半合成ヒトインスリンにてもアレルギー症状を呈し, インスリン製剤中に含まれる亜鉛によるアレルギーが最も考えられた. また, 症状の1つである廣痒感はインスリン製剤中に含まれるフェノールおよびグリセロールにより生じることがわかった. 治療として中間型インスリン製剤の中で最も亜鉛含量の少ないNPHインスリンを使用し抗ヒスタミン剤と副腎皮質ステロイド剤の外用を併用することによってアレルギー症状を著明に軽減することが出来た.
    一方, 本症例ではインスリン非依存性糖尿病としては通常よりインスリン必要量が多く, 皮膚アレルギー症状との関連から, 注射部位でのインスリンの吸収不全あるいはインスリンの分解が起こっている可能性が考えられた. しかし皮下注法, 筋注法, アブロチニン添加皮下注法での血糖およびIRI値の比較からは本症例でインスリン必要量が多くなった理由を明らかにすることは出来なかった.
  • 高橋 良当, 木村 裕子, 森 英記, 三原 俊彦, 大森 安恵, 平田 幸正
    1984 年 27 巻 sppl1 号 p. 99-106
    発行日: 1984/05/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    症例は24歳の主婦. 口渇, 多飲, 多尿よりケトアシドーシスを呈して急激に発症したインスリン依存型糖尿病である. ノボレンテMC (ウシ・ブタ) とアクトラピッドMC (ブタ) にてコントロールしたが, 4ヵ月後より空腹時血糖300mg/dl以上となり, インスリン量を72単位まで増やしたり, モノタードやインスラタードに変更しても血糖コントロールは不良であった.そこで, 再びレンテMC (ウシ・ブタ) を皮下注したところ, 全身性蕁麻疹が出現し, インスリン量も160単位まで増量してもコント灘一ルは不良であった.
    入院時身長159cm, 体重40kg, 総IgE 2510IU/ml, 総インスリン43151μU/ml, Free insulin 57.3μU/ml, 125I-インスリン結合率85%といずれも高値を示した. 血中, 尿中CPRは0に近く, 抗インスリンレセプター抗体は陰性, 内分泌学的に高血糖の要因は否定された. 入院後, 半合成および生合成の高純度ヒトインスリンに対してもアレルギーが認められた. ヒトインスリンの持続静注による血糖コントロールと, ヒトインスリンの持続皮下注入による脱感作を行った.しかし, 完全にはアレルギーは消滅せず, hydrocortisone 5mgを1日3回, ヒトインスリンに混ぜて筋注する方法で局所アレルギーを抑え, 血糖コントロールを維持することが出来た.
  • 富永 真琴, 大門 真, 丸橋 成次郎, 神村 匡, 蛯谷 功, 佐々木 英夫
    1984 年 27 巻 sppl1 号 p. 107-110
    発行日: 1984/05/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    12歳時に糖尿病性昏睡で発症し, その後, コントロールが困難となり, ブタNPHインスリンも有効でなく, レンテインスリンを150単位/日もの大量が必要であった21歳の男性の糖尿病症例にヒトモノタードMCインスリンを投与したところ, インスリン必要量は86単位/日と5.3%に減少した. この症例のインスリン結合率 (Binding Capacity) は29.1%と低値であったが, 血清総インスリンは360μU/ml以上と高値であった. この総インスリンはヒトインスリンに切り換えて2週後に170μU/mlと著減し, その後も減少したので, 本例のインスリン抵抗性はウシないしブタインスリン抗体によるものと推測され, このような症例にヒトインスリンは有用と思われた.
  • 大角 誠治, 小林 正, 岩崎 誠, 前川 聡, 繁田 幸男, 山口 信一郎, 木戸 博, 西村 敏夫
    1984 年 27 巻 sppl1 号 p. 111-118
    発行日: 1984/05/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    在来のインスリン製剤による副作用の1つは抗体によるインスリン抵抗性糖尿病である. この種の患者をヒトインスリンで治療し, 経過を観察したので報告する.
    症例は52歳, 男性で12年間の糖尿病歴を有した.入院時, 糖尿病性神経症, 増殖性網膜症, 腎症を有し, ネフローゼ症候群と中等度の腎不全を呈した. 糖尿病はレギュラーインスリン頻回注射により最大160単位/日でようやくコントロールされた.1251インスリン結合率は75.9%と高く, 抗体の存在を示したのでヒトインスリン (Semisynthetic, Novo) に変更した. 変更後, 最大120単位/目を要したが, 32単位/日まで急減し, 臨床上ヒトインスリンは著効を示した. 他方, 腎不全は進展した. この患者のインスリン抗体を検討したところ,
    1) 患者血清はウシ, ブタ, ヒト, Desoctapeptide (DOP) インスリンに対し, 2: 1: 1: 0.13という相対親和性を示した. 2) ヒトインスリン治療後, 患者抗体とブタ, ヒトインスリン結合特性には変化を認めなかった. 3) 50%最大結合濃度からみた治療前後の患者抗体とヒトインスリンとの結合親和性は等しく, また, Scatchard解析では治療後, 結合容量, 親和性のいずれも減少を認めなかった.
    以上より, 臨床上認められたインスリン需要量の著減はヒトインスリンの効果よりも, 併存した腎不全の進行, 食事摂取の減少によると考えられた. しかし, インスリン8鎖30位は抗原決定部位の1つであり, 症例により有効例が存在するものと考えられる.
  • 杉原 範彦, 中林 肇, 蜂谷 春雄, 中村 保雄, 積良 愚, 川東 正範, 臼倉 教臣, 竹田 亮祐
    1984 年 27 巻 sppl1 号 p. 119-124
    発行日: 1984/05/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    要約: 症例57歳, 女性. 現病歴: 49歳時尿糖指摘, 54歳時口渇・全身倦怠感出現, 以後外来にて経口血糖降下剤にて治療中, コントロール不良となりインスリン (1) 治療を開始した. ノボレンテI (ウシ・ブタ混合) 使用4ヵ月後より, 両下腹部・両大腿部にリポアトロフィー (LA) が出現した. ブタ・モノタードモノコンポーネント (MC) Iに変更, LA部位に注射し3~4ヵ月後には, 両下腹部のLAはほぼ消失したが, 両大腿部のLAはわずかの改善傾向を示したにすぎなかった. モノタードMCIを計17カ月間使用したが同様の状態を示したため, さらにモノタードヒトMCI (ノボ) に変更し, 5ヵ月後には両大腿部を含めLAは完全に消失し, 12ヵ月後まで再発をみていない. インスリン結合抗体価はブタ・ヒトいずれのインスリン製剤治療経過中も変化をみなかった. 本例の経験から, 難治のLAに対するヒトMCI療法の有効性が示唆された.
  • 穂田 太郎, 梅田 文夫, 渡辺 淳, 井口 登与志, 小野 弘, 迫 康博, 楢崎 健次郎, 井林 博
    1984 年 27 巻 sppl1 号 p. 125-130
    発行日: 1984/05/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    要約: 我々は, 初回治療にMonocomponent (MC) インスリンを用いて治療中, 初期にインスリン・アレルギーの出現と血中インスリン抗体の著増に伴い, 高度のLipoatrophy (LA) を発症し, ヒトインスリンの局所注射が著効を呈した1例を経験したので報告する.
    症例は55歳女性. ケトージスを伴った糖尿病の発症を契機に, ActrapidインスリンをCSIIとして両側下腹部に1カ月間継続 (総量474U). その後Lente (MC) 20U1回注射 (上腕・大腿) に変更した. 血糖コントロールは比較的良好に維持されたが, インスリン開始2カ月後より注射局所に掻痒感を伴った発赤と膨疹が出現し, 約5カ月後より両側下腹部に境界明瞭な手掌大の陥凹を生じた. この時点で血中インスリン抗体 (B/T%, PEG法) 85%, Ig E軽度増加 (870IU/ml), 補体および免疫複合体は正常. LA発症10カ月後, ヒトMCインスリン (Monotard) 20Uを片側 (右) のLA周辺に皮下注射したところ, 1カ月後同部の皮下脂肪は充満傾向を示し, 4カ月後には一部を残しほぼ正常に回復した. 一方, 非注射部位には皮下脂肪の増加はみられなかった. この間, インスリン抗体緬は依然高値のまま不変であつた. 本例にみられた一連の臨床的特徴は, LAの成因に免疫機構の関与を示唆するものである. MCインスリンによって生じたLAの報告は現在まで極めて少なく, またヒトインスリンの著効例は本例が最初の報告である.
  • 横川 泰, 小野 順子, 高木 良三郎, 国広 潔, 渡辺 紀明
    1984 年 27 巻 sppl1 号 p. 131-136
    発行日: 1984/05/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    要約: 半合成ヒトインスリン (Semisynthetic Human hsulin, 以下SHIと略す) を使用し, 治療インスリン量を減量することの出来た症例を経験した. 症例は16歳女子高校生で, 昭和56年10月 (14歳), ケトアシドーシスを伴って糖尿病を発症した. 直ちにインスリン治療が開始され, 初回入院時レンテインスリン15単位でコントロールされたが, 次第に必要量が増加した. 発症5カ月後レンテインスリンU-100に変更された後より急激に注射量が増加し, 130単位を使用するに至った。 以後1年間, 約100単位でコントロールされていたがインスリン抗体価は高く, また注射部位にlipoatrophyを生じたため, 発症1年5カ月後レンテインスリン95単位をヒトインスリン75単位に変更したところ, 5カ月後70単位でFBS100~180mg/dl, Hb A1は8.1%となり, lipoatどophyも改善傾向を示している. 血糖日内変動は摂取カロリー2300kcalで著明に改善し, 血中のインスリン抗体の125I-インスリン結合率は61.0%から42.4%と低下, それに伴い総インスリン量も9600μU/斑1から979μU/nllへと低下した。 この抗体の特異性を検討したが, ヒト, ブタ, ウシィンスリン間に結合率の差はなく, 本症例のインスリン使用量の減少は使用インスリンの種属差によるとは考えられなかつた.
  • 小坂 樹徳
    1984 年 27 巻 sppl1 号 p. 137-139
    発行日: 1984/05/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
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