糖尿病
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毛髪蛋白GlycationのIDDM発症時期判定への応用
老籾 宗忠増田 章吾中道 恒雄前田 裕一郎秦 文彦北村 嘉章西本 茂樹松本 真一郎畑中 裕司馬場 茂明
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キーワード: 毛髪
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1987 年 30 巻 9 号 p. 819-823

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抄録

毛髪蛋白glycation測定をIDDM発症時期の証明に用いうる可能性を検討した.
病歴, HbA1cの成績から, 発症時期の明確な16歳女性のIDDM症例の毛髪glycationをlysineのε-amino基にgiucoseが結合して生成されたfructose-lysine (Amadori化合物) を酸性加水分解して得られるfurosineで測定した. 発症後3, 5, 9か月の時点で採取した毛髪を用いても, 毛髪の成長速度を考慮すると, IDDMの発症以降に成長した毛髪の部分でfurosine値は高値を示した.
以上, 毛髪glycationは過去の任意の時点, あるいは過去の連続した時点の血糖状態を反映するため, IDDMの発症時期の判定にも有用な新指標となることを確認した.

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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