糖尿病
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OK-432によるStreptozotocin少量頻回投与糖尿病の発症促進
丸山 太郎柳川 達生武井 泉浅葉 義明片岡 邦三猿田 享男石井 寿晴
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1988 年 31 巻 6 号 p. 463-469

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抄録

immunomodulatorとして広く使用されているOK-432 (ピシバニール ®) はNODマウスの糖尿病発症を抑制するが, 私たちは本剤をstreptozotocin (SZ) 少量頻回投与マウスに投与したところ, 逆に発症を促進した.
8~9週齢, 雄性CD-1マウスを用い, SZ 40mg/kgもしくは30mg/kgを5日間連日腹腔内に投与した. SZ投与開始5日前, 投与開始当日, 7日後, 14日後にOK-432もしくは生理食塩水を腹腔内に投与し, 糖尿病, 膵島炎の程度を比較した. SZ 40mg/kg投与群は全例糖尿病を発症したが, OK 432投与群の方が高血糖の傾向を認めた. SZ 30mg/kg投与群はOK-432投与群の50%が糖尿病を発症したが, 生食投与群には糖尿病発症は認められなかった. 膵島へのリンパ球浸潤の程度もOK-432投与群は生理食塩水投与群に比べ高度であった.
Immunomodulatorは糖尿病の発症を促進することもあり, IDDMの免疫療法は慎重に行うべきであると示唆された.

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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