糖尿病
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31 巻 , 6 号
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  • 久保木 幸司
    1988 年 31 巻 6 号 p. 457-462
    発行日: 1988/06/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病性腎症における尿fibronectin degradation products (以下, FnDP) 排泄率と腎糸球体内thrombin発生との関連を明らかにする目的で, 糖尿病16例を対象に, 尿FnDP, 尿蛋白, 腎静脈と腎動脈との血漿Soluble fibrin monomer complexes濃度差 (以下V-A・SFMC) を測定した. さらに, 糖尿病7例を対象に, 尿FnDPならびに尿蛋白排泄率と腎のび漫性糖尿病性病変との関係を, 腎生検を施行し検討した. 尿FnDP排泄率が増加するにつれ, V-A・SFMCは大きい値を示した (r=0.84, p<0.001). 尿蛋白排泄率とV-A・SFMCとの間にも, 相関関係 (r=0.69, p<0.005) がみられた. 尿FnDPや尿蛋白排泄率が高いほど, 腎のび漫性糖尿病性病変は高度であった.
    以上より, 尿蛋白とは異なり腎に由来する尿FnDPの測定は, 腎糸球体内thrombin発生と腎糸球体のび漫性糖尿病性病変の程度を推察するのに有意義であると考えられる.
  • 丸山 太郎, 柳川 達生, 武井 泉, 浅葉 義明, 片岡 邦三, 猿田 享男, 石井 寿晴
    1988 年 31 巻 6 号 p. 463-469
    発行日: 1988/06/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    immunomodulatorとして広く使用されているOK-432 (ピシバニール ®) はNODマウスの糖尿病発症を抑制するが, 私たちは本剤をstreptozotocin (SZ) 少量頻回投与マウスに投与したところ, 逆に発症を促進した.
    8~9週齢, 雄性CD-1マウスを用い, SZ 40mg/kgもしくは30mg/kgを5日間連日腹腔内に投与した. SZ投与開始5日前, 投与開始当日, 7日後, 14日後にOK-432もしくは生理食塩水を腹腔内に投与し, 糖尿病, 膵島炎の程度を比較した. SZ 40mg/kg投与群は全例糖尿病を発症したが, OK 432投与群の方が高血糖の傾向を認めた. SZ 30mg/kg投与群はOK-432投与群の50%が糖尿病を発症したが, 生食投与群には糖尿病発症は認められなかった. 膵島へのリンパ球浸潤の程度もOK-432投与群は生理食塩水投与群に比べ高度であった.
    Immunomodulatorは糖尿病の発症を促進することもあり, IDDMの免疫療法は慎重に行うべきであると示唆された.
  • 河原 玲子, 吉野 正代, 雨宮 禎子, 古守 知典, 平田 幸正
    1988 年 31 巻 6 号 p. 471-476
    発行日: 1988/06/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    5,167名の糖尿病患者におけるHbF保有頻度とその臨床的意義を検討した. 0.5~0.9%のHbFを保有する者は1,023名 (19.8%), 1~1.9%では197名 (3.8%), 2~2.9%では45名 (0.9%), 3~6.9%では45名 (0.9%) で, 0.5%以上保有をまとめると25.4%であった. これらの頻度はいずれも正常対照群 (n=82) との間に有意差を認めなかった. また女性では男性に比しHbF保有者の頻度が高く, 特に妊婦におけるF保有率は高かった.またHbF 2%以上の高値保有者90名の既往歴には甲状腺疾患が6名 (6.7%) 認められたが, 特記すべき家族歴はなく, また細小血管症とHbFとの関係も認められなかった. 以上より糖尿病においてHbA1とA1cの差が大きい場合にはHbFの存在が考えられるが, その際HbFが0.5%以上を保有する頻度は全体の25.4%に達した. そして妊婦や甲状腺疾患を有する場合にはF保有者が増加する可能性が示唆された.
  • 山之内 国男, 四方 治, 近田 研, 篠崎 隆, 中嶋 博久, 近田 直人, 藤井 了, 西川 寿彦, 加藤 克己
    1988 年 31 巻 6 号 p. 477-482
    発行日: 1988/06/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    血糖コントロールの指標としての血清フルクトサミンの臨床的有用性を明らかにするため, 以下の検討を行った. 血糖レベルの安定した糖尿病外来患者においてHbA1, 空腹時血糖および食後血糖とフルクトサミンの相関を求めた. さらにコントロール不良の糖尿病入院患者11例に厳格なインスリン治療を行い, 血糖値とフルクトサミンの経時的変動を追跡し以下の結果を得た. (1) 血清フルクトサミン値はコントロール安定群においてHbA1と最も強い相関を示した (p<0.05). (2) 血清フルクトサミン値はコントロール不良群において, インスリン治療開始後1週間で平均血糖, 尿糖と共に有意に低下し (p<0.01), 血糖コントロール安定後もさらに2週間低下傾向を示した. (3) また, 治療開始4週後, HbA1に比し有意な低下を認めた (p<0.001). (4) さらに血清フルクトサミン値は良好にコントロールされた糖尿病患者において食後の血糖上昇に伴う一過性の増加を認めなかった. 以上の結果より, 血清フルクトサミンは数日から約2週前の平均的血糖値を示す有用な指標であることが確認された.
  • 堀米 賢, 甲斐 之泰, 奥口 文宣, 柿崎 正栄, 山田 憲一, 中島 陽一郎, 阿部 隆三, 清水 弘之
    1988 年 31 巻 6 号 p. 483-490
    発行日: 1988/06/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    施設での男子332例, 女子306例の糖尿病症例で, 網膜症と心電図上虚血性変化の合併の有無をみた. その結果, 網膜症の合併率は男女差がみられなかったが, 心電図有所見者は女子の方に多くみられた. 次に, それぞれの合併症例に対して, 性・年齢・施設のマッチした非合併症例を無作為に抽出して, 合併の有無群間での比較検討を行った. その結果, 網膜症特に増殖性網膜症については, 糖尿病罹病期間・高血圧・HDLコレステロール低値との関連が認められた. 女子ではこれに空腹時血糖・過去最大体重・中性脂肪が加わった. 心電図虚血性変化に対しては, 収縮期血圧のみが男女共通の関連因子となった. 女子ではこれに中性脂肪が加わった. 総コレステロール・喫煙は関連がみられなかった. 網膜症と心電図虚血性変化とでは, 個々の関連因子としては共通するものもあったが, 両者の発症は独立であることが示唆された.
  • 松前 裕己, 堀田 饒, 鬼頭 柳三, 中村 二郎, 榊原 文彦, 深沢 英雄, 木村 雅夫, 洪 尚樹, 角田 博信, 坂本 信夫
    1988 年 31 巻 6 号 p. 491-498
    発行日: 1988/06/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Oxytocinはvasopressin同様, 脱水などのhypovolemiaで上昇することが明らかにされているものの, 重篤糖尿病状態での役割については全く検討されていない. われわれは, 20時間絶食の正常およびstreptozotocin糖尿病ラットの摘出肝灌流実験手技を用い, 10mML-alanine存在下のoxytocinの肝効果を150分間にわたり検討し, 以下の成績がえられた. 1) 正常, 糖尿病を問わずgluconeogenesis, ketogenesisを指標とした肝代謝にoxytocin (1×10-7M) はは直接作用を示し, その促進効果はvasopressin (0.8mU/ml), glucagon (2.86×10-7M) のそれにほぼ等しかった. 2) 生理的濃度のinsulin (100μU/ml) はoxytocinで亢進したgluconeogenesis, ketogenesisに抑制的に働き, その効果は正常ラットでより強かった. 以上より, 重篤糖尿病状態ではoxytocinが代謝異常悪化の一因を担う事が強く示唆された.
  • 熊倉 忍, 坂本 美一, 岩本 安彦, 松田 文子, 葛谷 健
    1988 年 31 巻 6 号 p. 499-504
    発行日: 1988/06/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    黒色表皮症を伴い家族性に高インスリン血症を認めたインスリン受容体異常症の1例を報告する. 症例は16歳女性. 主訴は腋窩部の色素沈着. 男性化徴候や多嚢胞性卵巣はない. 100g経ログルコース負荷試験 (OGTT) では耐糖能は正常だが高インスリン血症 (基礎値40μU/ml, 頂値746μU/ml) を呈した. インスリン抗体, インスリン受容体抗体はなく, インスリン拮抗ホルモンは正常であった. インスリン感受性試験で感受性の低下を認めた. 患者赤血球のインスリン結合能と親和性はほぼ正常であった. 患者血清のゲル濾過の結果高プロインスリン血症は否定された. 患者インスリンの生物活性をモルモット腎膜成分を用いるRadioreceptor assay (RRA) およびラット脂肪細胞を用いるグルコース酸化能にて検討したが正常であった. 以上より, このインスリン抵抗性は受容体結合以後の障害と考えられた. また, 母親, 兄弟に高インスリン血症を認め, 遺伝性疾患である可能性が高い.
  • 田中 逸, 長尾 昌壽, 西尾 利二, 橋田 悦, 柏木 厚典, 繁田 幸男
    1988 年 31 巻 6 号 p. 505-511
    発行日: 1988/06/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    MODY (maturity onset diabetes in the young) と考えられる糖尿病遺伝傾向濃厚な17歳の肥満型NIDDM患者が急性膵炎を契機に糖尿病性ケトアシドーシスを発症し, 最終的には急性膵炎による播種性血管内凝固 (DIC), 多臓器不全 (MOF) と高Na血症にて死の転帰をとった症例を経験したので報告する. 経過中1日のインスリン量として120~280Uを持続静注したにもかかわらず, 血中IRIは4.6~29.1μU/mlと低値であった. 本症例では肥満と急性膵炎により著明なインスリン抵抗性が誘発された. 本症例のようなpoor control NIDDMに急性膵炎が合併した場合, その診断が困難なだけでなく, ケトアシドーシスの誘因ともなり, さらに生命予後を悪化させる要因にもなるため, 特に注意が必要である.
  • 池田 匡, 本田 守, 竹内 龍男, 茂久田 修, 富長 将人, 真柴 裕人
    1988 年 31 巻 6 号 p. 513-515
    発行日: 1988/06/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    To determine the direct effect of arterial glucose concentration on urinary excretion of N-acetyl-β-D-glucosaminidase (NAG), NAG activity was measured in the urine from rat kidneys vascularly perfused for 40min with a synthetic medium containing 5.5mmol of glucose, 16.7mmol of glucose, or 5.5mmol glucose and 11mmol of mannitol. Urinary NAG activity in the kidney perfused with 16.7mmol of glucose (2.9±1.3mU/40min, mean±SD) was significantly greater than that (0.5±0.1mU/40min or 0.6±0.2mU/40min) perfused with 5.5mmol of glucose or 5.5mmol of glucose and 11mmol of mannitol, respectively.
    These results suggest that urinary NAG excretion is strongly influenced by arterial blood glucose concentration.
  • 1988 年 31 巻 6 号 p. 517-528
    発行日: 1988/06/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 1988 年 31 巻 6 号 p. 529-543
    発行日: 1988/06/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
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