糖尿病
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第3指末節骨欠損の新生児を出産した高齢糖尿病妊婦の1例
谷川 敬一郎土山 真一加藤 節司山本 和彦北尾 学大国 智司加藤 譲
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1989 年 32 巻 11 号 p. 837-842

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抄録

高齢で糖尿病を有する初産婦が骨奇形を有する新生児を出産したのでその臨床経過につき報告する.症例は38歳, 妊娠16週で尿糖を指摘された.ブドウ糖負荷テストは糖尿病型でHbA1は12.7%であった.血糖は, 入院後のインスリン治療により良好にコントロールされた.分娩前には1日70単位のインスリンにより, HbA1は6.7%, フルクトサミンは2.3mmol/1に改善した.入院時の血漿成長ホルモンの基礎値は15ng/m1と高値を示し, この高値は分娩前まで持続した.血漿ソマトメジンCは妊娠中, ゆるやかに上昇した.両者はいずれも妊娠38週で帝王切開後急速に低下した.新生児は24609の低体重を除いては健康であったが, 右第3指の末節骨と第4指の爪の欠損を認めた.以上の所見は高齢出産と器官形成期の高血糖が相加的に骨奇形の誘因となる可能性を示唆している.

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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