糖尿病
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ストレプトゾトシン糖尿病ラット心筋細胞β-アドレナリン受容体分布異常とアドレナリン作用不全について
西尾 善彦
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1989 年 32 巻 2 号 p. 97-103

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抄録

糖尿病ラット単離心筋細胞において親水性リガンド [3H] CGP-12177結合にて測定した細胞表面β-アドレナリン受容体数は対照ラットの59%に低下したが (p<0.01),[125I] ICYP結合にて測定した全細胞内β-アドレナリン受容体数は両群で差を認めなかった. 心筋細胞膜アデニルシクラーゼ活性は糖尿病においてβ-作動薬に対する反応性が対照の48%に低下した (p<0.05). 48時間のインスリン治療は血清T3値および尿中カテコラミン排泄量に変化を与えず細胞表面β-アドレナリン受容体数を37%増加させた (p<0.05). β-作動薬により細胞表面β-アドレナリン受容体はdown regulationを受け, その回復は糖尿病で対照の52%に低下した (p<0.05). 以上, 糖尿病ラット心筋におけるカテコラミン反応性低下に細胞膜でのβ-アドレナリン受容体低下が重要であり, 細胞内受容体の分布異常が示唆された. この異常は糖尿病に密接に関連し, 短期インスリン治療により可逆的であった.

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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