抄録
BB/Wラットの糖尿病発症機序におけるサイトカインおよびマクロファージ (Mφ) の関与を検討した. ラットインスリノーマ (RIN) 細胞増殖阻止試験でIL-1, TNF, interferon-γ (IFN-γ) の細胞障害性を検討, またRIN, GH3細胞を標的細胞, BB/Wラットの腹腔細胞をエフェクター細胞として51Cr放出による細胞障害試験を行った. RIN細胞はIL-1単独で障害されたが, TNFに対しては抵抗性を示した. 一方IL-1, TNF, IFN-γ の共存により細胞障害性に相加, 相乗作用が認められた. また急性糖尿病BB/Wラットの腹腔細胞およびMφ はRIN細胞に対し障害作用を示したが, GH3細胞には障害作用を示さなかった. 以上よりBB/Wラット糖尿病発症にMφ およびMφ が分泌するサイトカインの関与が示唆された.