糖尿病
Online ISSN : 1881-588X
Print ISSN : 0021-437X
ISSN-L : 0021-437X
小児期発症IDDMの生命予後と医療体制との関係
春日 伸予田嶼 尚子松島 雅人縣 俊彦北川 照男Ronald E LaporteDERI研究班
著者情報
キーワード: IDDM, 死亡率, 医療体制
ジャーナル フリー

1991 年 34 巻 1 号 p. 31-36

詳細
抄録
小児期発症IDDMの生命予後に対して医療体制がどのように関連しているかについて, 全国調査された18歳未満発症IDDM1428例を対象に解明を行った.生命予後の指標である死亡率は, 1965~69年診断群よりも1970~79年診断群の方が低かった.医療体制の指標のうち, 病院総数, 医師総数, 一般病院の医師数の対人口数は, 年代による差がほとんどなかったが, それらの指標は1980年代においてのみ死亡率と有意な関連を示していた (P<0.05).また, 栄養士数も両年代において生命予後との関連が認められた.これより, 近年において医療体制が生命予後に及ぼす影響が大きくなっていることがわかった.したがって今後, 生命予後の改善を医療体制の面から考えると, 生命予後と有意な関連を持つ病院数や医師数, 特に人材面では一般病院の医師数と栄養士数の地域差をなくし, 偏りのない医療体制を確立することが重要であると言える.
著者関連情報
© 社団法人 日本糖尿病学会
前の記事 次の記事
feedback
Top