糖尿病
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尿蛋白定性陰性のインスリン非依存性糖尿病患者における2年後の血清IV型コラーゲン・7S値の変動について
矢野 裕嶋 照夫住田 安弘浦 仁志江崎 淳後藤 浩之鈴木 司郎三崎 盛治
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1991 年 34 巻 12 号 p. 1019-1024

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抄録

高血圧のない尿蛋白定性陰性のインスリン非依存性糖尿病患者33例について, 2年後の血清7Sコラーゲンの変動と2年間の血圧, 血糖との関係を検討した.血圧とHbA1cを4週おきに測定し, 平均血圧 (拡張期圧+1/3脈圧), HbA1cの値は初回検査前6ヵ月間, 初回検査後2年間のそれぞれの平均値を用いた.平均血圧, HbA1c両者の上昇群のみ血清7Sコラーゲンは有意な上昇を示した (P<0.01).平均血圧, HbA1cいずれか一方のみの上昇群には7Sコラーゲンの有意な変化は認められなかった.以上より, 尿蛋白定性陰性のインスリン非依存性糖尿病患者で, 基底膜組織のIV型コラーゲンの代謝を反映するといわれている血清7Sコラーゲンの2年間の上昇に, 血糖, 血圧両者の上昇が影響を及ぼしていることが示唆され, 臨床上塩圧, 血糖の管理の重要性を示す成績であった.

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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