糖尿病
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インスリン非依存型糖尿病患者の無症候性多発性脳梗塞の臨床的検討
井上 徹伏見 尚子山田 祐也宇高 不可思亀山 正邦
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1994 年 37 巻 1 号 p. 1-6

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抄録

外来通院インスリン非依存1生糖尿病患者で脳MRI像にて無症候性多発性脳梗塞 (ML) と診断された症例57例 (69±8歳, M±SD) と正常例53例 (65±9歳) で罹病歴, BMI, CHO, TG, HDLC, Atherogenic Index (A.1), LDL-C, LP (a), 網膜症, 腎症, ニューロパチー, 冠硬化症, 閉塞性動脈硬化症, 高血圧, 血糖コントロール, 治療法を比較検討.65歳未満の中年群41例, 以上の老年群69例に分け同様に検討.t, x2検定, 重回帰分析にて検討.単変量的にはMLは有意に高齢でニューロパチー, 高血圧も高率, 中年群ではMLは網膜症, 腎症, ニューロパチー, 高血圧が有意に高率.多変量的には年齢は単独でMLと有意な関連あり.中年群では網膜症, 高血圧, BMI, A.1の組み合わせが一番MLとの関連が有意.老年群ではどの因子も有意にはならず.以上糖尿病患者ではMLには加齢の影響に加え中年群では細小血管症, 高血圧の関与が考えられた.

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