糖尿病
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糖尿病患者の心室性不整脈に関する検討
ホルター心電図による評価とその臨床的特徴
紀田 康雄柏木 厚典中川 浩子吉川 隆一繁田 幸男
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1994 年 37 巻 5 号 p. 349-355

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抄録

我々は糖尿病者の突然死の頻度が一般の報告に比べ多い事を報告してきたが, 死因の詳細は明らかではない.突然死の死因の1つに悪性不整脈が考えられる.今回はホルター心電図を用いて, 心室性期外収縮 (VPC) の頻度, 重症度と臨床的特徴を444例のNIDDM (D群) と80例の非糖尿病対照者 (N群) で調べた.
1) D群では多源性, 連発性VPCの頻度がN群より有意に高く, 一部には心室頻拍やR on T等の悪性不整脈も見られた.2) D群の悪性不整脈の危険因子として加齢, 虚血性心疾患, 腎症, 自律神経障害が重要であった.
以上の結果より, 心合併症や腎症, 自律神経障害合併の糖尿病患者にはホルター心電図による不整脈の精査が, 突然死の予防に有用と考えられた.

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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