糖尿病
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ストレプトゾトシン糖尿病ラット大動脈組織における酸化ストレスと抗酸化酵素の変動
瀧 秀樹柏木 厚典西尾 善彦吉川 隆一堀池 喜八郎
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1997 年 40 巻 2 号 p. 99-107

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抄録

ストレプトゾトシン (STZ) 糖尿病ラット大動脈組織における酸化ストレスの存在を明らかにするため, 大動脈組織中の過酸化脂質量およびヘムオキシゲナーゼmRNA量を測定し, 抗酸化酵素としてCu, Zn-スーパーオキシドジスムターゼ (SOD), グルタチオンペルオキシダーゼ (GPX), カタラーゼの各mRNA量を測定した.24週の糖尿病 (D) 群の過酸化脂質量は, 対照 (C) 群の2.1倍 (P<0.05) に増加した. また4.24週D群のヘムオキシゲナーゼmRNA量はおのおのC群の1.6倍 (P<0.05), 2.4倍に増加した. さらに4・24週のカタラーゼmRNA量はD群でおのおのC群の1.6倍 (P<0.05), 4.4倍に増加したが, SOD・GPX mRNA量は両群間で差がなかった.4週間のインスリン治療によりヘムオキシゲナーゼ, カタラーゼmRNA量の増加は抑制された. これらの結果より, 大動脈組織において糖尿病状態は, 酸化ストレスに関連した遺伝子発現異常を誘導する可能性が示唆された.

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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