糖尿病
Online ISSN : 1881-588X
Print ISSN : 0021-437X
ISSN-L : 0021-437X
インスリン製剤中のヒトインスリンおよびプロタミンに対して全身性アレルギーを来した糖尿病の1例
吉野 功二武田 則之村松 学森田 浩之宗 友厚石塚 達夫安田 圭吾
著者情報
ジャーナル フリー

1999 年 42 巻 11 号 p. 927-930

詳細
抄録

19歳, 男性. 再生不良性貧血のため骨髄移植後, 免疫抑制剤などによる治療中に糖尿病を発症した. 1995年9月ペンフィル30 (R) Rを開始されてまもなく, 注射部位の発赤と掻痒感が出現した. 1996年11月インスリン注射後, 全身の発赤・掻痒感, 呼吸困難が出現し, 約30分間持続した. 同様な発作が免疫抑制剤などを中止した後も出現し入院となった. インスリン皮内反応では, レギュラー, NPHインスリンは全て陽性であったが, ウルトラレンテインスリンは陰性であった. レギュラーインスリンで脱感作療法中, 全身アナフィラキシーが出現した (レギュラーインスリンの添加物の皮内テストは陰性). また, NPHインスリン製剤中のプロタミンの皮内テストでもアナフィラキシーショックが出現した. インスリン製剤中の2成分-ヒトインスリンとプロタミン-に全身性アレルギーを来した興昧ある症例である.

著者関連情報
© 社団法人 日本糖尿病学会
前の記事 次の記事
feedback
Top