糖尿病
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微小神経電図法を用いた糖尿病性末梢神経障害の検討
運動神経伝導速度との比較検討
早川 哲雄
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1999 年 42 巻 5 号 p. 335-340

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抄録

微小神経電図法の最大伝導速度 (maximal nerve Gonduotlon veiocity: NCV) と振幅 (ampIitude: Amp) を用いて, 糖尿病性神経障害評価における臨床的有用性を運動神経伝導速度 (motor nerve conduotion velocity: MCV) と比較検討した. NCV, Ampの同時再現性は非常に高く, 日差再現性はNCV>MOV>Ampの順であった. NCVとAmpの相関は, NCVとMCVより弱く, NCVとAmpは別の角度から糖尿病性末梢神経障害を評価している可能性が考えられた. しびれ, 網膜症, 腎症の有無で, NCV, Amp, MCVは, 腎症のNCVを除き有意差を認めた. 罹病期間, HbA1cの検討で, AmpはNOV, MOVより鋭敏でなかった. しびれの有無で分けて検討すると, NCVはMCVより鋭敏であり, Ampと組み合わせることによりさらに高率に異常を検出できた. 以上より微小神経電図法は, しびれを認めながらMCVで異常を認めない糖尿病患者での神経障害の機能評価に特に有用と思われた.

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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