糖尿病
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各種膵酵素の上昇を示した清涼飲料水ケトーシスの1例
影山 洋
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2000 年 43 巻 1 号 p. 47-50

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抄録

清涼飲料水ケトーシスの経過中に各種膵酵素の上昇がみられた症例を報告する. 症例は44歳女性, 普段から1.5lのペットボトル入りの清涼飲料水を1~1.5本飲んでいたが, 口渇, 多尿が出現し, 2~3本飲むようになり, 意識障害が出現したため入院. 血糖1, 088mg/dlで, ケトアシドーシスを呈した, アミラーゼ, リパーゼ, トリプシン, エラスターゼIなどの膵酵素の上昇がみられた. 腹痛や膵の腫大などの所見はなかった. 食事療法のみで血糖コントロール良好となった. 入院前のBMI 28.7kg/m2, 尿中CPR 100.9μg/日, 抗GAD抗体, 抗ラ氏島抗体, 抗インスリン抗体などの自己抗体は陰性であった, 清涼飲料水ケトーシスに伴う膵酵素の上昇を示し, 急性膵炎の診断基準をみたさない症例は本例が第1例である.

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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