2000 年 43 巻 1 号 p. 39-45
Small dense LDL (pattern B) がインスリン非依存型糖尿病 (NIDDM) の動脈硬化合併に関連するか否かを検討した. 対象はNIDDM男性97名, 女性21名, 平均年齢60歳で, これを動脈硬化非合併23名, 虚血性心疾患合併 (CHD) 59名, 脳梗塞合併 (CVD) 16名, 閉塞性動脈硬化合併 (ASO) 20名に分けた. 対照には健常者男性14名, 女性12名, 平均年齢40歳を用いた. 空腹時採血でLDL粒子サイズをKraussの方法で測定した. 糖尿病群はすべてリポ蛋白がTG-richで, LDL粒子サイズが小型化していた. また, CHD, ASO, を合併する2群では健常対照群に比しpattern Bが高率に認められた. LDL粒子サイズを有意に規定する因子はVLDL-TG (p<0.001) とHbA1c (p<0.05) であった. 以上より, NIDDMでは健常対照群に比しLDL粒子サイズが小型化しやすいが, 動脈硬化の合併や種類では差がなかった.