糖尿病
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2型糖尿病患者における虚血性心疾患および脳血管疾患の死亡率とその危険因子
平均15年間にわたる経過観測による検討
佐々木 陽清水 孝郎長谷川 恭一上原 ます子
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2000 年 43 巻 12 号 p. 1057-1063

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抄録

糖尿病患者における虚血性心疾患 (CHD) 死亡および脳血管疾患 (CVD) 死亡の発生状況と関連する危険因子について検討した. 対象は当センターを1960-74年に受診した2型糖尿病患者1, 939名で, 1993年末まで平均14.9±6.6年間観察した. この間の転帰は生存1,000例 (51.6%), 死亡880例 (45.4%), 生死不明59例 (3.0%) で, CHD死亡111例, CVD死亡128例がみられた. 危険因子との関係は, 死亡率, Odds比および多重Logistic Modelによって検討した. CHD死亡は空腹時血糖値, 収縮期血圧, 血圧分類, 心電図虚血性変化, 血清Cholesterol値, 糖尿病性網膜症, 蛋白尿, 治療方法との関係が有意であった. 一方, CVD死亡に関しては収縮期血圧, 拡張期血圧, 血圧分類, 蛋白尿, 治療方法との関係がみられた. また, 多重Logistic Modelによる解析では, CHD死亡は収縮期血圧, 心電図虚血性変化, 血清Cholesterol値, 糖尿病性網膜症と, またCVD死亡は年齢以外では収縮期血圧との関係が有意であった.

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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