糖尿病
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血糖コントロール改善とともに神経調節性失神が顕性化した1型糖尿病の1例
藤川 るみ江草 玄士花房 美樹渡邉 浩河村 智一望月 久義大久保 雅通山木戸 道郎
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2000 年 43 巻 8 号 p. 675-679

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抄録
血糖コントロール後に神経調節1生失神が顕性化した1型糖尿病の1例を経験した. 症例は30歳, 男性. 口渇, 多飲, 多尿, 体重減少を主訴に来院. 空腹時血糖値398mg/dl, HbA1c11.496, 尿ケトン陽性より1型糖尿病と診断し, インスリン注射を開始した. 一旦インスリン注射より離脱するも再びコントロール悪化のたため再入院となった. ICA陽性, 抗GAD抗体価1710U/m/と著明高値であった, 血糖値改善とともに, 著しい起立性低血圧, 徐脈, 失神発作が出現しHead-uptilt testで著明な徐脈と心停止が認められた. 神経学的検査により交感神経の機能低下および相対的な副交感神経の過緊張の存在が推察された. 血糖コントロールが自律神経障害に影響を与えた可能性が示唆された.
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© 社団法人 日本糖尿病学会
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