2001 年 44 巻 1 号 p. 63-67
われわれは, 患者一人一人にあわせた栄養指導の重要性を検討するために, 実際に行った栄養指導を経時的に呈示する. 症例は, C型肝炎の後に糖尿病が発見された症例と, 糖尿病から糖尿病性腎症を併発し『糖腎食』(ここでは糖尿病食から腎臓食へ移行する間の食事のことをいう. 当院では, 糖尿病食, 糖腎食, 腎臓食という流れで進む) を導入することになった症例である. 2症例は老夫婦および高齢の一人暮らしであったが, 治療の一環として食習慣の変更を指示された. 本人の嗜好とこれまでの食事に対する知識を確認した上で, 新規の食事療法を段階的に, かつ本人の能力を確かめながら進めていった. その結果, 高齢ながらも食習慣の変更がなされ, 治療の一環として位置づけられた.