糖尿病
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初診患者における糖尿病性腎症罹患率の年代推移
A hospital-based study
長谷 美智代横山 宏樹中神 朋子高橋 千恵子岩本 安彦
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2001 年 44 巻 11 号 p. 873-878

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抄録

増加する糖尿病性腎症による透析導入は, 単に糖尿病患者数増加によるのか, あるいは腎症罹患率の増加が寄与しているのかは明らかでない. 東京女子医科大学糖尿病センターを初診した患者より5年間隔に期間を設定して抽出し, 444名 (1980年), 552名 (1985年), 752名 (1990年), 645名 (1995年) において, 初診時における糖尿病性腎症の罹患率を比較した, 各年度群間で, 性, 年齢, 糖尿病罹病期間に差は無く, さらに他医からの紹介率は56-65%であった. 糖尿病性腎症の罹患率は, 1980年4.3%, 1985年4.4%, 1990年7.3%, 1995年7.6%と近年になるに従い有意に増加した (X2trend=8.2, p<0.01). これは罹病期間5年以上の群で顕著であった.以上より, 近年の糖尿病透析者数の増加に, 糖尿病性腎症の罹患率増加が関与している可能性が示唆された

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