糖尿病
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血清アミラーゼの著明な上昇を伴わずに発症した劇症1型糖尿病4症例の臨床的検討
青木 兼実谷山 松雄大塚 史子高橋 隆佐藤 勉井上 穣高橋 育克榎澤 尚子佐藤 尚太郎升田 雄史鈴木 晟時
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2002 年 45 巻 12 号 p. 861-866

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抄録

糖尿病関連自己抗体が陰性で, 血清膵外分泌酵素の上昇を伴い急速に進行する非自己免疫性劇症1型糖尿病に類似しながらも, 発症時血清アミラーゼの有意な上昇を見ない急激発症の4症例を経験し, 臨床的検討を行った. HbA1cは5.0%から7, 9%と低値. 尿中Cペプチドは全例とも5μg/day未満, グルカゴン負荷後の血中Cペプチドも0, 3ng/ml以下と膵β細胞機能は発症早期から廃絶していた. 3例で抗GAD抗体は陰性, 残る1名ではわずかに検出されたが有意とは考えられなかった, 抗ランゲルハンス島抗体は3例検索し, すべて陰性. 血清アミラーゼ値は1例のみ無症候性に195U/lと軽度上昇していたが他の例では正常範囲内であった, 2例で先行する感冒症状が認められた. HLA検査ではA24とDR4が全例に陽性, さらに2例ではDR9も有していた. アミラーゼの上昇を伴わないタイプの非自己免疫性劇症1型糖尿病類似の病態が存在する可能性と, HLA-A24がこのタイプの1型糖尿病の完成を促進している可能性が示唆された.

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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